役人との付き合い方、ドロドロ社会のサバイバル術

 寧波市の役人と会食することになった。場所は、寧波の名所・月湖を見下ろす有名な海鮮レストランだ。

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 誤解のないように、役人を接待するのではなく、役人に接待されるのである。私だけでなく、顧客企業担当者3名と当社の社員を入れて、総勢8名の宴会となった。

 同行の社員も少し驚いたようだ。私と政府役人との付き合いをいままで一度も見たことがないからだ。役人との付き合いをなるべく避けたいというのが、私の主義である。今回、珍しく会社設立案件だったので、政府役人の人脈を使った。

 「立花さんと役人、こんな親密な友達関係ができているのを見てびっくりしました」、同行の社員。

 中国は、人脈の国だと信じ込んでいる日本人はいまだに少数ではない。確かにその側面もあるが、すべてではない。私は、通常役人と付き合わない。どうしても必要なときにならないと、決して役人という資源を動員しない。

 グレーゾーンの多い中国、関係の良い役人友達から、「没問題」と言われるままホイホイとやってしまったら、後々問題になってみると役人が責任を取ってくれないだけでなく、時には役人に迷惑までかかることもある。

 人脈よりも、まず法律、コンプライアンス。折り目正しく、時には愚直に見られることもあるが、自分の姿勢を変えるつもりはない。

 ドロドロの中国社会だからこそ、身辺をきれいにするのである。美学だけではない。ビジネス・リスク管理上の鉄則でもある。