「安居夢物語」と「楽業談義」

 雪の中、40名の参加者を迎えて、「上海従業員代表大会条例セミナー」の再々開催(3回目)が無事終了した。帰りの足も大変だろうと思いつつ、心から皆さんのご出席に感謝する。

 花園飯店の会場は、今日、少々うるさかった。となりのグランドボールで、某不動産デベロッパーの(春節)忘年会が午後からすでに盛り上がっていた。不動産相場の高騰を何とか押さえつけよう、度重なる政府の施策が無力さを露呈する中、このように、デベロッパーが旧態依然とわが世の春を謳歌している。

50047_2我が家の庭は雪の世界に、夜の冷涼な空気がおいしい

 「安居楽業」。日本語に訳すと、「住まいがあって安心して暮らし、仕事も楽しんでいる」というのだが、不動産相場の異常な高騰は、大多数の中国国民から「安居」の夢をすでに奪い去ったといえる。残りの「楽業」をせいぜい守らなければと、国も必死だ。あれこれ法律を作って、企業に雇用維持、賃上げを求めた。

 同じホテルの隣り合わせで、「安居夢物語」と「楽業談義」が、それぞれ展開している。まさに世相の現れであろう。

 富は増えたが、中国国民の幸福は同じように増えたのだろうか、しんしんと降る雪を眺めながら、考え込んだ。