終身雇用制度導入

 当社は、終身雇用制度のコンセプトのもとで、今年から年功制度を導入した。熟慮の末、本日社内公表した。

 驚かれる方も多いだろう。昨今中国の労働法令・政策下、そのうえ人事労務の専門コンサルティング会社として、自ら年功や終身を導入するとはさぞかし驚かれ、奇異に映るだろう。時代逆行か?

 日本の終身雇用制度が、日本の繁栄を作り上げた。バブル崩壊とともに、日本が米国式の成果主義人事制度を導入し、大失敗を喫した。いまになって、成果主義批判も多数出ているが、決して成果主義が悪いわけではない。日本には成果主義人事制度に適した風土やインフラが出来ていなかったからだ。

 同じように、日本固有の終身雇用・年功制度も否定すべきではない。

 中国は一見欧米流の成果主義が適しているように見えても、根っこのところはどうなのだろうか。人材マーケティングのセグメンテーション化で、日系企業の強みを出し、欧米その他外資や中国勢と対抗し、人材戦争で勝ち残る方策は、ほかでなく、日本企業ならではの終身雇用制度なのである。

 ただし、日本国内のような全員均一適用の制度ではない。実績評価や会社経営状況に応じ、流動的に選抜に基づく制度なのである。これは、当社顧問先の一部企業でもすでに導入済み、あるいは導入検討中になっている。

 中国の労働市場は法令政策で硬直化している。そこで、全体的制度の流動化は欠かせない。そして、その流動性の中でも、選択的な安定性を加え、バランスを取っていく。立花流の人事モデルなのである。