祝日出勤の賃金は通常の2倍か3倍か?混乱する人事労務現場

 国定祝日(労働節や国慶節など)休出の場合、賃金は通常賃金の2倍なのか、3倍なのか、争われて久しい。

 私が接してきたほとんどの日系企業は、通常賃金のほか、3倍の休出賃金を支払っているようだ。これは、払いすぎである。いままで、数十社の企業に、是正指導をし、2倍の休出賃金に改正させている。

 本件は、旧労働部の計算ミス(と思われる)による法令の誤った規定に起源している。後日、旧法令が廃止され、新法令が公布され、計算ルールも改められた。これは、しかるべき是正措置である以上、労働行政部門が堂々と公開説明して、ルールの改正を周知すべきところだが、しかし、メンツの考慮か、明言を避け続けてきた。これが、企業人事現場の混乱を引き起こす主因と思われる。

 また、弁護士や専門家でも的確なアドバイスができていないケースも散見される。労働行政当局の立場からすれば、企業が多く支払う分には労働者が騒ぎを起こさず、都合がよいこともあるのか、概して多め支払を主張しているようだ。しかし、人件費の継続上昇に直面する企業にとっては、休出賃金の倍数計算基準は、人件費コストにかかわる重大な問題であり、決して軽視されてはならない。

 この問題を解釈し、論理的に説明するには、労働法令の立法における一連の経緯に対して十分な理解を有さなければならない。

 私は、来る5月26日上海で開催する「中国労働法令と企業人事労務セミナー(基礎編) 」(有料)で、本件の法的根拠と経緯を、詳細に渡って徹底解説し、関係説明資料を配布することにした。(関連中国法の解釈については、中国人弁護士が担当する)

 <上記セミナーは定員50名を超過し、現在増員席で案内中です。おそらく2~3日中に、60名に達した時点で締め切らせていただきます>

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