嗜好よりも信仰、信仰から思考が生まれる

 最近、コンサルティング活動の重点を少しずつ調整している。

 いままでの経緯をみると、人事労務現場の問題解決から、制度そのものの改革、さらに中堅の研修といった、根治型・体質改善型のアプローチをとってきた。最近は、いよいよ、「意識改革」という深層に入り込んできた。

 マインドセットである。組織のマインドセットの形成要因は、製品特性や事業特性、企業戦略、ビジョン、企業理念、そして、企業の経験知などと多岐にわたる。一つ一つ丁寧に洗い出す必要がある。

 そう、組織文化である。マインドセットこそが、組織文化の本質である。そもそも、中国現地拠点には、どのような組織文化をもたせたほうがいいのか、単に日本本社の延長線ではないはずだ。総経理が交替すれば、それが変わるというものでもないはずだ。

 特に中国拠点の場合、トップ交替が3年、5年ごとに行われると、見る見る方針がぶれたりするし、組織文化よりも、総経理の嗜好を探るのが幹部たちの仕事になっている。これでは、会社はよくならない。

 総経理の嗜好があってはならないというのではない。ある種の組織のDNAが必要だ。共通の信仰のようなものだ。大統領も、乞食も、同じ神様を信じている。いや、同じ神様でなくてもいい。神様を信じる同じ人間であればよい。

 嗜好よりも信仰、信仰から思考が生まれる。