黄信号

 「中国の経済情勢がかなり混沌としていて、先の見通しが立たない」

 某欧州系外銀上海支店の幹部と会話すると、このようなニュアンスだった。6を突破したCPIは年内もほぼ横ばい基調と思っている私に、彼はさらに、「本場は来年じゃないか」との予測を示した。

 セミナーでも話したことが何回かあったが、2008~2009年景気後退期の4兆元の財政投入のマイナス効果が津波のように、いよいよ時間差攻撃でやってくる。

 そして、賃金上昇の機運が強まる一方。

 中国の問題は構造上の問題で、徹底的に手入れしないと、問題がどんどん先送りにされるだけで、いずれ爆発すると思う。

 問題の先送り現象は、一部の日系企業にも普遍に見られている。当座の無事を図り、問題の根治を拒否する経営陣には、黄信号が点っている。