● 青バッチと思考の自由
フェイスブック認証の青バッチ取得を薦められているが、断る。「課金料金受領スタンプ」であり、月1000円程度のお金だが、もったいない。それは、フェイスブック優秀ワーカー賞の賞状のようなものだ。フェイスブックは、20億人以上のワーカーが無給で働いてくれる巨大工場を有する、資本主義史上最大の成功事例だ。そのなかの優秀ワーカーが自腹を切って表彰を受けるというシステムは、さすがに利用する気にならない。フェイスブックのワーカーとはどういうことか説明しよう。
5つの自由――時間の自由、場所の自由、金銭の自由、言論の自由、思考の自由。人間は、自分の得た自由を世間に示すことによって、自己肯定とその確認を行う。SNSの投稿は好例だ。旅行や美食、交友、仕事、意見や主張の発表、いずれも自由であることの発露で、自慢話も含めてだ。
だから、この人間の本能を利用して、フェイスブックは大儲けして、創業者が上層階級入りしたわけだ。それが私が言っている「上層階級が下層階級のことをよく理解している」ことだ。こういった社会の仕組み、世界の仕組みを本質的に理解したところ、思考の自由を得たと言える。
思考の自由は、唯一生来平等に付与される権利で、唯一生涯誰にも剥奪されない権利でもある。だが、思考の自由に気づく人は、ほんの一握り。そして思考の自由は初期化して初めて機能するもので、初期化には鍛錬が必要だ。修行して悟るという仏教の教えに近い。
SNS認証の青バッチのついた者(情報源)なら、信用できると思い込んでいる人は、思考の自由を得ていない。テレビや新聞が言っていることを信用するのと同じ、何かの権威が発信する情報を無思考に受け入れる。日本人がいつも言っている「〇〇さんなら信用できる」というのは、無思考の証だ。人という記号を見て判断するのが、物事を分析・検証することより、はるかに簡単で頭を使わなくて済むから。
支配者・上層階級は、大衆に頭を使ってほくないから、認証という記号を多用する。記号をみて脊髄反射する人は、ほぼ一生下層階級から脱出できない。これが残酷な事実である。

● 他力本願の繁栄
台湾TSMCの熊本進出、中国人のインバウンド…。それで日本は繁栄するのか?――日本人の他力本願は、もう痛々しい程度に至り、見るに堪えない。自国の運命を他国に託すような国は、信用も信頼もできない。国民(有志)は、国家との運命共同体をいかに切り離して自立するかに取り組む、それ以外に方法は皆無。中国人が優れているのは、この自立心。彼らは国家など最初から信用しない。中国人・華人が共有しているのは、文化である。「安全」と「安心」を善として信奉する者が直面するのは、紛れもなく「危険」と「不安」だけだ。




