道迷った!道や地図のせいにしたら人間は人生にも迷う。

 11月18日(金)、杭州出張。

 「前来たときと違う。高速道路の出口が変わった」。高速道路から杭州市内へ降りた運転手が焦りだす。焦れば焦るほど混乱する。方向性を失えば、顧客企業に到着する予定も狂う。

 「昨日、事務局スタッフがちゃんと地図で確認したのに、目印が見当たらない」
 「事務局のAさんが、地図調査をBさんに頼んだのに・・・」
 同行の弁護士も焦りだす。

 「タクシーにタクシー代を払って、道案内を頼んだら」と、私が提案する。10分もかからないうちに、地元のタクシーの誘導のもとで、目的地に到着。

 問題は明らかだ。古い地図情報や過去の運転体験に頼った結果だ。

 「私はあなたを信用していない」。私が運転手に率直にいう。「あなたが古い情報やずいぶん昔の体験を信用しているから、あなたを信用しない・・・」

 事務局にも問題がある。30分も1時間もかけて調べたが、元となる地図の即時性や信憑性は?一生懸命頑張ったのに、結果が悪ければすべてダメ。

 大変冷酷だが、スタッフが30分も1時間もかけて調べたという努力は、私は認めないし、評価もしない。まず、コスト計算しよう。一人のスタッフが30分か1時間かけて地図を調べた場合、その人件費は最低数十元かかる(機会損失も計算する必要がある)。高速を降りてから地元のタクシーに道案内を頼めば、十数元で済む。どっちの経済性が高いかは一目瞭然だ。

 「私が地図を調べるよりも、地元のタクシーに道案内を頼んだ方がコスト削減になる」と、ここまで判断・提言できるスタッフがいたら、私は間違いなく高く、評価する。

 地図調べは手段であって、目的地に着くのが目的である。手段と目的を間違えてはならない。

 道に迷って、道や地図のせいにしたら、人間は必ず人生にも迷う。