愛社精神を夢見て、春爛漫が何時訪れるか?

 春爛漫。気がついたら、我が家の庭が春爛漫になっている。

78696_2我が家の庭は、春爛漫(以下写真同)

 春といえば入社式。期待を膨らませ、決意表明で誓いの言葉を述べる新入社員代表。このような風景に慣れた日本人は、社員と会社の関係を運命共同体のように考えている。また、中国の地に来ても、中国人従業員に愛社精神を求める。

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 そこで、私は必ず水をかける。愛社精神を求めるなと。国が違えば、国民性も文化も価値観も勤労感も違う。終身雇用・ライフタイムのケアとセットになっている日本の正社員雇用・賃金制度は中国に存在しない。一つ例をあげると、中国現地で、企業年金を備え、定年退職金を出す日系企業は何社いるのだろうか。

 中国人は家族を中心とした、血縁関係で結ばれる利益共同体が形成されている。その外回りに人脈ネットワークが放射線状に広がる。会社という組織が入る余地がない。だから、そこで「愛社精神」などは机上の空論となる。

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 愛社精神よりも、従業員の連帯を強める、ほかに何かがある。これを悟った時点で、中国での経営も楽になる。まだまだ、多くの日本人経営者が悟っておらず、苦労しているようだ。日本企業には、春爛漫がいつ訪れるのだろうか。

 明日から労働節の休暇で、家族と近場の済州島で4泊静養する予定。