<雑論>日本のために日本を出る? / 五輪金メダル個数の生産性 / 終戦記念日 /トヨタ不正事件の経営責任

● 日本のために日本を出る?

 「日本のために日本を出る」。和僑会が新たなキャッチフレーズを打ち出した。では、海外で事業に失敗した和僑が結局、日本へ帰る。それは、誰のために日本へ帰るのだろうか?

 自己美化、綺麗事好きな日本人。まずは、自分のために日本を出る、でいいのではないだろうか。このままでは、和僑会が1世紀やっても華僑に追いつかない。自画自賛にも程がある。華僑は自分や家族のために国を出て、海外で成功して初めて「衣錦還郷」、故郷に錦を飾るという。華僑が「中国のために中国を出る」と言い出したら、人格が疑われる。

 ちなみに、駐在員なら、「会社のために日本を出る」と自信を持って言えるだろうが、和僑会は海外に行って創業するわけだから、税金を外国に落とし、雇用を外国で創出するだけに、「日本のため」とは具体的にどんな意味かを知りたい。

 国のために国を出るといえば、フィリピン人の海外出稼ぎ家政婦たちだ。フィリピンの人口から出稼ぎ労働者として海外に働きに出ているのは、なんとおよそ1000万人以上。出稼ぎ先は世界100か国以上。そして、彼女らが国内に送金する外貨は、なんとGDPの1割以上にのぼり、これこそ、「フィリピンのためにフィリピンを出る」と言える。

 和僑会に言おう。華僑の真似をするのなら、金融、政治という2つの機能が必要。金融とは、資本あるいは基金があること。政治とは、所在国の政界に浸透すること。いまの和僑会は、単なる同好会。組織存続のための組織にすぎない。和僑会のみなさん、気を悪くしたらごめんなさい。自惚れ、自己陶酔はやめよう。

● 五輪金メダル個数の生産性

 パリ五輪金メダル個数には、いろんなベンチマークの集計法がある。たとえば、出場選手団の人数から、1人あたりの生産性を算出すると、中国が1位になる。

 米国選手団592名、金メダル40枚=0.07枚/人
 中国選手団404名、金メダル40枚=0.1枚/人
 日本選手団409名、金メダル20枚=0.05枚/人

 別の計算法もある。五輪金メダル数を国の人口比で計算すると、日本は米中を抜く。一方、その計算法でいくと、日本は金メダル総個数4位以下の豪州、欧州各国ないし韓国にも抜かれる。最も11位のニュージーランドは人口500万で金メダル10個、人口比なら日本の10倍以上になる。他方、インドは人口14億で金メダルゼロ。日本とニュージーランドがインドの230、2300倍以上の数字が出る。

 著しく、人口比金メダル数の不合理性が分かる。統計基準と取り方は、いかに合理的なものにするか。そこでフィルターをかける。五輪出場選手数をベースに金メダルの生産性を算出し、合理性を付与する。

● 終戦記念日

 終戦記念日が教えてくれたこと――。勝てない敵との付き合い方は2つ。1つ、総玉砕すること。もう1つは、敵の子分になること。そして後者の場合、決断が早ければ早いほど自分に有利で、子分の地位が上方修正することができる。日本にとっては中国は勝てる敵なのか、そしてアメリカにとって中国は勝てる敵なのか。政治はそれだけシンプルだ。

● トヨタ不正事件の経営責任

 トヨタ自動車の「型式指定」での認証不正を巡り、豊田章男会長の経営責任への追及が終わらない。豊田会長の責任ではない。不正を生み出すのは組織文化という温床にほかならない。豊田氏は社長時代から、組織文化や制度の改革を叫んできた。しかしトップダウンではそもそも、巨大な既得権益組織を相手に機能しない。トヨタは変われない。

 成功はみんなのお陰、失敗はトップの責任。これは日本社会の無責任なところだ。一億総無責任だ。豊田氏の社長引退は、一種のメッセージだった。そのメッセージは理解されていないし、理解されようともしない。豊田氏が例え会長から全引退しても、責任を取らされるだろう。スケープゴートだ。

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