ケニア(5)~サファリの決め手その一<車篇>

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85827_1キリマンジャロを背景に颯爽と歩くゾウ(アンボセリ、12年8月11日撮影)

 アフリカに行くというと、周りから驚かれることが多い。特に中国人から不思議そうな顔をされたり、何であんな後進国へ行くんだと詰問されたりする。

 最大な目的はいうまでもなく、サバンナの野生動物を求めるサファリだ。

85827_285827b_2キリン(上)とカンムリヅル(下)(いずれもアンボセリ、12年8月11日撮影)

 サファリは英語で狩猟隊を指しているが、スワヒリ語で旅行のことだという。アフリカの日常がヨーロッパの非日常で、昔ヨーロッパ人がアフリカに行って休暇を過ごし自由に狩猟もしていたが、いまは野生動物保護のためそんなことができなくなり、「見るだけ」の世界になったわけだ。

 通常サファリは自動車に乗って行うもので、それは「ゲームドライブ」という。道路らしい道路もないサバンナを走るため、もちろん丈夫な4WD車(四輪駆動)でなければならない。4WDといってもバンやトラックタイプ(改造車?)も多く、私の場合、運がよくアンボセリでロッジが手配してくれたのは、野性味たっぷりのオールルーフ付きランドクルーザーだった。

85827_385827b_3サファリ中に出遭うアフリカゾウの大群

 この類のサファリカーは8~10名乗り。そこで2種類のサファリがあって、混載車といって見知らず他のゲストと乗り合わせるタイプと、独占してチャーターするタイプである。通常、サファリのロッジやキャンプを予約すると、全食事と1日朝夕二回の混載車ゲームドライブが料金に含まれているのだが、サファリカーのチャーター使用となると別途1回につき数百ドルの追加料金がかかってしまうほど高価なものだ。

 私は通常の混載車タイプを予約していたが、なぜか、気がついたら搭乗者は私と妻二人だけというチャーター状態になっていた(3日間で千ドル以上の得)。すると、行きたいところや見たい動物はもちろんのこと、休みたい、写真を取りたい、早く出発したい、寄り道したい・・・言いたい放題だ。混載だと、他人の好みや意思も尊重しないといけないので、どうしても遠慮がちで不完全燃焼になる。

85827_485827b_4夕暮れの中のキリマンジャロが刻々と表情を変える

 私たちがとてもラッキーで混載料金でチャーターになった理由の一つはおそらく、通常の宿泊客より長く滞在するためだったと思う。スタッフから聞いたのだが、通常アンボセリのロッジにはみんな1泊や2泊だというのに、私たちは3泊もするという「Long Stay」だそうだ。そこで、滞在周期がうまく他のゲストと噛み合わないこともあって、混載スケジュールがうまく組めず、単独行動にされてしまったようだ。

とにかく、ラッキーだ。

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