昨日午後、丸半日、ミャンマー現地出版のローカル紙、10紙を読破する。もちろん、私はビルマ語ができないので、通訳を入れての作業だった。通訳の日本語レベルでは、ビジネス情報をうまく説明できるところに到達しておらず、一部まず英語に翻訳して、私から要はこういうことだね、ああいうことだねと確認しながらの作業で、悪戦苦闘の半日だった。
現地の情報といえば、まずローカル紙だが、それはかなりいい加減な記事が多い。ロジック性がなかったり、数字は辻褄合わなかったり、こういう欠陥記事だらけだ。
まず、私が選んだ一個目の記事は税務関連。税理士の代理申告を禁止し、税務申告は企業自身によって行う、という規制が新たに発表されたという内容だが、根拠法は何か、新規定は法令なのか政策なのか、いつから実施されるのか、実施細則はどうなっているのか、何一つ書かれていない。じゃ、所轄官庁に電話を入れて照会しようというと、いや、それはまったく相手にされないから、唯一の方法は首都ネピドーに出向くことだという。それも出向いたからと言って、教えてもらえるかというと、何ら保証もない。そもそも役人自身が法令や政策の中身について何も知らないことがほとんどだという。因みに、ヤンゴンからネピドーの街まで状態のよい車だと5時間くらいの旅になる。
これはいまのミャンマーだ。あれもない、これもない。インターナショナル・スタンダードにほど遠い。日本人や日本企業が潔癖症的に色々を求めると、何もできなくなる。
いったん、ここで常識を捨てるしかないと思う。ヤンゴンでいろんな方に話を聞いていると、人によって価値観が全く異なることがはっきりわかる。このような価値観を加味しながら、私は私なりの情報を仕入れているのである。
本日午後、テイン・セイン大統領の親しい友人である某氏に直接に話を聞くことができた。テイン・セイン大統領の思想や思考回路、立場、観点を立体的に浮かび上がらせ、いくつかの素材をパズルのようにつなぎ合わせると、そこに3年後や5年後ないし10年後のミャンマーが鮮明に見えてくる。
いまの日本のメディアは確かにミャンマーブームを煽っているようにも思える。しかし、メディアの報道をいかに捉えるかの判断は読者や視聴者に委ねられている。メディア盲信を捨て批判的な思考をもって、ロジックを組み立てて分析すれば、ミャンマー戦略、アジア戦略の制定はそれほど難しいことではないはずだ。
「もし、私が個人事業主だったら、いま間違いなく、ミャンマーに進出する。何かを待つのではなく、今すぐだ」。某日系企業の現地法人社長が意味深長な笑みを浮かべて、こう語った。まさにそれだ。この答えは、ある企業や経営者にとって正解であって、またあるほかの企業や経営者にとっては不正解であろう。
ミャンマーそのものは一夜にして決して変わらないが、変わるのは経営者のあり方である。経営者が自身を変えた時点で、ミャンマーも変わるだろう。









