アジア村の村民になる日

 弊社エリス・コンサルティングのドメインは、現行の「eris.cn」と「eris.co.jp」をまとめて、「eris.asia」へ統合し、新設することを決めた。

 「.asia」は数年前創設された時に社名を取得したが、使うこともないだろうと思いつつも、なんといよいよアジアの時代になった。

 アジアと中国は、決して二者択一ではない。そもそも、日本も中国もアジアの一員だったのに、何もアジアから切り離して考える必要はない。アジアという広域マップに、企業がそれぞれの戦略的配置を決めればいいのだ。

 「立花さんはもう中国を離れるんですよね」。最近、顧客先へいくと聞かれることが多い。住む場所は確かにマレーシアに変わるし、また中国業務のウェイトも落とすが、中国を放棄したわけではない。もっと突っ込んで少数精鋭的な仕事をこなしていこうと考えている。

 周りを見ると、中国へ新規進出する日系企業もいるが、決してこれから中国は撤退のみで進出なしということではない。繰り返しているが、適者生存で、中国に本当に適している企業ならば、今後どんどん進出すればいい。

 一点だけ、まず派遣される日本人駐在員(経営者や管理職になる人間)の資質と姿勢だけはしっかり吟味してほしい。ここ4~5年、お世辞にも中国駐在の日本人経営者・管理職の平均レベルが高いとは言えない。むしろレベルの低い人間が多すぎる。中国現地での失敗をみると、人災が決して少数ではない。これでは、中国で明日はない。

 リスクをみると逃げ腰になる日本人ボス。調整型で、戦略を語れない人間が陣頭指揮に立ったら、敗退になることは目に見えている。いや、陣頭指揮といっても、指揮権を放棄して保身しか考えない。不作為の塊で、経営者にほど遠い臆病者だ。

 アジアに視野を広げれば、立派な日本人経営者に出会うチャンスも増えるだろう。このような期待で胸を躍らせながら、私も弊社もアジア村の村民になる。