中国人妻の日本居住ビザ不発給、物事のいろんな側面

 鈴木隆義さんのブログ記事「2013年05月21日 国が干渉すべきことか?」では、日本人男性と中国人女性の結婚で、中国人妻への日本居住ビザ発給拒否の話が書かれた。もう一つの側面から見てみようと思う。

 このケースでは、日本人男性の収入が少ないことで、日本当局がビザ発給を拒否したことについて、「何の罪もない人間にかかわる人権問題」というのは、少々重すぎるのではないかと思う。まず、当局の性悪説的な「偽装結婚」の疑念をさておいて、最近日本国内で深刻な社会問題になりつつある外国人への生活保護給付問題も看過できない。

 日本で生活保護を受ける外国人は急速に増えている。厚労省の最新の調査(平成23年)では外国人受給者は4万3479世帯、月平均で7万3030人に上る。10年前からほぼ倍増し、ここ数年の伸びは年に5千世帯のハイペースだ。「ただ乗り感覚」の受給者の存在を指摘する関係者もいる。(2013年5月20日付、産経ニュース)

 特に国際結婚の破たんで、生活保護を受ける外国人母子家庭の問題がたびたび持ちあげられている。生活保護の原資は国や地方自治体が負担し、税金からきている事実を考えると、日本国民の感情や意思を無視するわけにはいかない。

 逆に、中国人男性と結婚した日本人女性がもし中国に定住し、後離婚して母子家庭となり、貧困で路頭に迷った場合、中国政府はこの日本人母子に生活保護を給付し、救済してくれるのだろうか。さしあたり、中国に留まるためのビザをもらえるのだろうか・・・

 このへん、もはや日本(あるいは中国)という国が「恋愛や結婚に関与する」かしないかの問題ではなくなる。もちろん、鈴木さんが記事を執筆した時の心境は、よく理解できる。特に身近な友人の遭遇になると・・・、世の中にはいろんな利害関係がある。同じ日本国民でもその配偶者の国籍一つで、利害関係が一致しなくなったりする。物事にはいろんな側面がある。