ルールなきルールと性悪説、中国でのサバイバルの基本

 中国の運転が荒いというが、マレーシアの運転も荒い。この数日、クアラルンプールのあちこち車で移動しているが、一番驚いたのは、方向指示灯(ウインカー)を出さないことだ。個別の1台や2台ではない、大多数だ。車線変更だけでなく、左右折も同様、ウインカーちかちかさせて曲がる車両が少数である。

 でも、でもですよ。何か阿吽の呼吸があるようだ。車線変更や方向変換をしようとする車両はその気配を見せてくれるのだ。その気配を感じた後続車両が少しスピードを落としたりして「譲り合う」のである。

 それが中国と違う。中国の場合(特に上海?)、車線変更の気配を見せてくれないし、ウインカーも出さない。気配や意思を見せると、後続車がどんどん詰めて入れてくれないから、突然と割り込むしかない。このためか、接触事故が多発する。

 言ってみれば、ウインカーを出して明確な意思表示をするのが公式ルールであれば、気配を感じさせるのが暗黙のルールともいえよう。で、中国の場合、ルールがないことになる。いや、突然の車線変更や割り込みが日常化すれば、それ自体が中国のルールである。

 ルールなきルールの基本は、性悪説である。いつ横から車が前触れもなく、乱暴に割り込んできても事故にならぬよう構えるのが自己防衛である。これは何も運転に限った話ではない、中国でのサバイバルの基本である。