ベトナム全盛期の前兆、テイクオフして10年後が楽しみ

 「貴社は中国繊維・アパレルレポートを出されていますが、ベトナム版の予定はありますか」
 「ベトナムと中国の投資やビジネス、雇用環境の比較で、中国でセミナーをやってください」
 「ベトナムに製造機能を移転し、中国市場向け出荷するビジネスモデルについてお聞かせください」
 「在中日本人駐在員がベトナム駐在に転勤しますが、現地サポートできる業者をご紹介いただけませんか」・・・

 最近このような問い合わせがどんどん増えている。しかも在中日系企業からのダイレクト照会である。当社の顧客企業は日系大手が多く根こそぎのベトナム移転は少なく、一部の製造機能のベトナムシフトがほとんどだ。いわゆる戦略拠点の再構築である。

 4日前の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、中国の後退とTPP施行により、今後ベトナムの経済発展が急加速すると予想し、特に衣料品などで「メイド・イン・ベトナム」が「メイド・イン・チャイナ」に取って代わる日も近いと指摘する。
 
 同紙のレポートによれば、ホーチミン市郊外の農村地帯がいま急速に、工業地帯に様変わりしつつあるという。そこに10以上の工業団地ができあがり、その約4割が衣料・繊維工場だ。ナイキの大型工場に加え、衣料品などにラベルやタグをつける業務を請け負う米大手エイブリィ・デニソン社などが巨大工場を建設し、ユニクロ製品のタグ付けなどを行っている。

 TPPの批准と施行後のベトナムを狙って、外資企業が続々と殺到している。

 米シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所は、TPPで最大の恩恵を得るのは、関税撤廃によってアメリカ、日本などの巨大市場に積極的にアクセスできるようになるベトナムだと見ている。WSJは、ベトナムが今後、世界最速の経済成長を果たす可能性は十分にあるとしている。

 さらに経済と一体化した国際政治面においては、中国と対抗する二大陣営の構築を目指すべく、日米がベトナムを取り込む戦略を取るだろう。

 いろんな意味でベトナムはどんどん面白くなるだろうし、目が離せない。ただ中国の90年代後半のテイクオフから本格的なブーム到来までは10年以上かかったように、ベトナムが全盛期を迎えるのはおそらく2020年~2025年あたりではないかと予測する。

 まあ、私自身にしてみれば、ベトナムが最後の仕事にしてリタイヤするには都合がいいのかもしれない。あくまでも願望だが・・・。