野党の運営、自己叩きと相手叩きのバランス

 最近の政治を見ていると、「野党の運営」という課題を真剣に考えずにいられない。

 野党には2種類ある。与党を目指せる野党と、野党でしか生き残れない野党。前者の条件は、与党より優秀であること、あるいは潜在的パワーがある(目先は一定の制限を受けているが)ことだ。そうした条件がなければ、後者になる。

 後者の場合も基本的に2通りの戦略がある――。1つは、野党としての基盤を固め、一定の原理原則を貫き、臥薪嘗胆的に時期を見計らって与党の座を奪取する、という「自己叩き」型戦略。もう1つは、とにかく与党批判や非難、あるゆるスキャンダルなどのあら探しに徹し、引きずり下ろそうとする、「相手叩き」型戦略。

 一般には2つの混合型になるが、どちらかに偏重することによって、その野党の色が出てくるわけだ。そういう意味で「相手叩き」専門の民進党よりも、混合型の共産党がよりバランスの取れた戦略に長けているように思える。

 企業の経営も、党派の運営も、基本は同じだ。