情報はタダと思ったら、損するのが自分

 先日、私のブログ記事でAPECカードを取得したという話をしたら、「APECカードの香港や中国での申請条件をお知らせ下さい。香港法人及び香港IDは持っている」という読者コメントがやってきた。

 「お知らせください」。ずいぶん唐突な言い方ではないだろうか。私はAPECカードの申請代行業者ではない。たとえ業者でも、申請代行契約がなされていない以上、説明義務は発生しない。世の中、情報はタダだと思っている日本人がやはり1人や2人ではない。

 「情報はタダではない」ということは、必ずしも情報そのものにすべて目に見える売買取引が行われるとは限らない。たとえ無料情報といえども、情報の抽出・検証、それから(情報を得た者)自分が使えるようにカスタマイズすると一連の情報処理に、自分の時間や労力がかかり、それがコストにほかならない。

 まさか、自分の情報処理工程が無価値とでもいえるのだろうか。故に、どんな情報も価値が付きまとう。情報はタダだということはあり得ない。

 ちなみに、上記の質問には2つの重要な情報が抜けている――。「質問者の国籍」(一応日本国籍者という仮説だが)と「所持する香港IDのタイプ」。これによって答えが違ってくるのだ。