評論家の江崎道朗氏が7月7日付けで執筆されたフェイスブック投稿が、メディアの政治報道を掘り下げ、政治ネタのドラマ性と販売部数や視聴率の関係を指摘し、ワイドショー政治の実態を鋭く暴いた。
思うにはこの題材なら、「メディアのマーケティング学」という分厚い一冊が書けそうだ。メディアの顧客である大衆の妬みがメディア・ビジネスの源泉だ。上品や下品の度合いに差があるものの、吊革広告とキヨスクの売り上げの関係がその一端を示唆するものだ。
分かりやすく、面白く、ドラマチック、それが第一義。
これもプロパガンダ。独裁国家のプロパガンダは主体が為政者で客体が民衆。民主主義国家のプロパガンダは、主体も客体も民衆。市場の需要に基づく民主主義国家のプロパガンダは、幾分洗練されているものの、内実はほとんど変わらない。
ドラマを馬鹿にしているわけではない。ドラマのストーリーに隠される一般性や本質という理性にまで到達出来ずじまい、お涙頂戴お笑い頂戴という情緒的段階で完結しているのが、日本の現状ではないだろうか。