投票所感、民主主義下の政治とは

 7月21日(日)正午、大阪市内で参院選投票を済ませ、参政権を行使してきた。中国を含む海外在住の日本人にとって日本国内住民票所在地投票以外に中国、海外にいながらの在外公館での投票も可能だ。

100662_2参院選投票を終えて

 しかし、台湾の場合、中国本土に公館がないので、台湾人の投票はすべて帰国しなければならない。私の在中台湾人友達もかつて台湾の選挙に先立って、早々と一時帰国の航空券の確保に奔走し、一票を投じる情熱はただものではなかった。

 中国本土に数十万人の台湾人が住んでいる。選挙となると、台湾行きの航空券が取れなくなったり、航空会社がチャーター便を増便したりして対応しているようだ。多くの台湾人は自腹を切って帰国旅費を払ってまで参政権を行使しているのである。

 民主主義にはコストがかかる。かといって、思うように世の中が変わってくれるわけではない。世の中が変わらなくても、自分自身だけは変えられる。自分自身を変えて行けば、気が付いたら世の中はきっと変わっているのだろう。

 民主主義は実体でなく、手続きに対する担保であり、Bestでなく、Betterに対する担保なのである。さらに、民主主義下の政治は国民一人ひとりに幸福そのものを与えるものでは決してなく、幸福を入手するための機会を均等に与えるものである。

 いまの日本は1億の国民が全員幸せになれる国ではなくなっている。また、頑張れば全員幸せになれる時代でもなくなっている。選挙は、決して政治家や国に自分の運命を託すものではない。自助努力と自己責任をより一層強く意識したい、もっともっと強いニッポン人になりたい、そうした心構えが必要だ。

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