ビーチサンダルの察見力、旅は発見と内省の時間だ

 このビーチサンダル、どう見ても持ち帰りOKなアメニティグッズではない。

 アイスランド旅行中、ブルーラグーンの宿で温泉プールサイド用のものが客室に備え付けられている。それがえらく気に入った妻はほしいと言いだした。

 ダメだ。それはホテルの備品だと私が断ると、妻は「じゃ、ホテルフロントに聞いてきます」と諦めない。5分後部屋に戻ってきた妻は「フロントは、『It’s yours』と言ってくれましたよ」と得意げに。

 えっ、まさか。どうみても使い捨てとは思えない。「ほら、タグも付いてるでしょう。これ新品なんですよ」と、妻がビールサンダルの靴底に貼り付けられている商品タグを見せてくれた。さすが女性はそういうところ細かくみているなあ。

 妻の察見力には脱帽。経営コンサルタントとして、何事も固定概念にとらわれずに、観察に基づき事実を根拠に結論を導き出す。基本を忘れた私は赤面せずにいられない。大切なことに気づかせてくれた妻には感謝にまた感謝。

 旅は発見だけでなく、内省の時間でもある。故に価値がある。