<東京>居酒屋の名は謙虚すぎ、品川に上等な割烹「呉平」

 品川には美味しい店があるか。しかも日曜日の夜という難問が・・・。

 探し当てたのは品川駅港南口から徒歩4~5分ほどのところにある寿司居酒屋「呉平」。一部、「寿司居酒屋」と紹介されているだけにユニークな店だと直感した。まず刺身の盛合わせで素材を確認。申し分ない。

 次に、水ナスの浅漬けでなく、刺身だ。これはもうフルーツ同様の状態。私は水ナスの大ファンで、季節さえ合えば、日本で必ず食べる一品だ。

 テンションが一気に上がる。メニューを見ると、焼鳥系もやっていることに驚く。ここだけは、居酒屋っぽいところかもしれない。白レバーは1本しか残っていないので、早速注文。上品で豊穣な味わい、しかも油っぽくないのがありがたい。私にとってフォアグラ以上の絶品だ。

 では、野菜系。アスパラは「茹で」でメニューに出ているのが、相当素材に自信があった証拠だろう。まったく裏切られることなく、その滑らかでジューシーな食感、最上級といえる。

 いよいよ焼き物だ。穴子の白焼き。少々痩せ気味の穴子だが、その分肉質に弛みがなく上品さが漂う。淡白に焼き上がっているこの1品も、文句なしの絶品だ。

 寿司にまいります。「寿司居酒屋」というだけに、期待以上の品質だった。下手な寿司店よりは全然旨い。素晴らしい。上にぎり1人前だが、今度もうちょっといろいろ食べてみたい。

 胃袋の最後の空間はなんと、海鮮塩焼きそばのために準備していた。なんといっても、「塩」に惹かれた。味は、ノーコメントとしよう。もう大満足のレベルを超えていた。

 結論を言おう。ある意味で「居酒屋」という名は謙虚しすぎる。むしろ歴然とした立派な「割烹」といったほうがいいだろう。

 ご馳走様でした。