火の海にゲテモノ、極辛を超える世界に美味あり

<前回>

 週末、また「重慶香辣鍋」に行ってしまった。1週間に2度も同じ店に行くのが初めて。前回は、日本人友人同行だったので、「逃げ道を残す」という幾分の「配慮」もあったが、今回は家族だけで容赦なく究極の世界に挑む。

 まずはスープたる「鍋底」は、辛くない出汁スープも入る2種スープ仕切り鍋でなく、単一の麻辣鍋にする。しかも、最上段の「麻辣」(マーラー)を注文し、前回足りなかった痺れ感「麻味」を出す花椒(ホアジャオ=中華山椒)の増量をも求めた。

 具材も羊肉と牛肉以外には、日本人から見ての「ゲテモノ」がオンパレード。豚の脳みそをはじめ、豚の腎臓や豚の血。もう完全に「非国民状態」。これに付き合える日本人は極々少数ではなかろうか。

 オーナーも自ら出てきて驚く表情を隠そうとしない。食通のマレーシア人友人から紹介されて、ちょっと変わった日本人客がやってくると言われただけで、こんなに変わったとはさすがに思っていなかったようだ。
 

 極辛というよりも、普通の日本人で考えられる辛さをはるかに超えている。形容するならば、「火の海」といったところだろうか。そして本日持ち込んだ酒は、台湾産の「金門高粱酒」、アルコール度58度。これも普通の酒を超えている「火の酒」。鍋とのコンビは?言っても分かってもらえないから、言うのをやめておこう。

 ご馳走様でした。

<次回>