積丹と小樽の旅(10)~焼肉店でジンギスカン頬張る、塩もタレも欲張りたい

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 9月16日(月)、足の怪我をして3日目。内出血と腫れが少し引いたようだ。爪の生え際の出血もほぼ止まった。明日の飛行機乗りは何とか車椅子に頼らずに自力で行きたい。

 そのためのスタミナをつけるべく、ジンギスカンでも食べようと、自分で理由づけして昼食に出かける。亀のように徐行しながら、向かったのは近所の焼肉店「大仁門」。昼にもかかわらず満席。

 ジンギスカンといえば、タレの味漬けが主流だが、焼肉店だけに塩の生ラム肉もある。まずはこれを普通の焼肉として楽しみたい。私は大のラム好きである。羊肉が臭いとかいわれるが、私は一度も臭く感じたことがない。タレに頼らず、シンプルな塩焼きでこそ、ラムのうまみが引き出せる。

 ラム肉以外に普通の牛肉もうまい。鶏は知床地鶏が使われているから、これもまた絶品である。しかも牛肉に比べてかなり安い。焼肉店の場合、どうしても牛肉が主役になるが、実は店によって鶏肉や豚肉が美味しいところも多い。試しの価値があり。そもそも韓国本場の焼肉はメインが牛肉ではないと韓国人の友達に教えられた。

 北海道にきて、海鮮三昧もいいが、肉もうまいのだと友人に勧められ、こうして食べていると、本当にうまくのだと感じる。魚と肉は実に奇妙な関係だ。交互に食べると、飽きがこないし、バランスも良い。と、いろいろ理由づけて自己正当化するのは人間である。しばらくダイエットなど忘れよう。

 いよいよ、締めくくりにはタレタイプのジンギスカンとご飯。オーソドックスな食べ方はやはり素晴らしい。肉汁がご飯に染み込んでこれはまたご飯が進む。不健康?カロリーの取りすぎは承知のうえ。ただ精神的な満足感は代えられない。心身の健康というが、なかなか両全が難しいときもある。

 ご馳走様でした。食べ終えると、足の痛みが完全に消えていた。

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