香港デモ現地取材(4)~トラムとフェリー、香港の風水が壊されたのか?

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 地下鉄よりもバス、バスよりもトラム、何よりもフェリー。私のかなり歪んだ嗜好ではあるが、香港ではとにかくトラムとフェリーを使いたがる。地上や海上の移動は景色がゆっくり見られる。何よりも古き良き時代の面影でセンチメンタルな気分に浸っていられるからだ

 10月20日(日)の九龍デモ。香港島からの移動は、早い地下鉄をやめて、中環までトラムで行き、そこでスターフェリーに乗り換えて尖沙咀(ツィムサーツォュー)へ向かう。ところが、問題発生。中環ではいつものスターフェリーピア(埠頭)が見つからない。香港上海銀行本店前でトラムを降り、皇后像広場にたむろするフィリピン人メイドたちを横目に地下道に入る。その先、郵便局の隣にフェリーピアがある。しかし、ない。埠頭もなければ、船の影も1つない。

新・スターフェリーピア

 私の頭に入っていた香港地図はもう20年近くアップデートされていない。この界隈はすっかり埋立てられ、変貌してしまったのだ。フェリーピアは埋立地の先のまた先へ移ってしまったのだ。人工で作られた埋立地はどこも同じように味気ない。アスファルトの照り返しで頭がくらくらする。

 以前ある香港人友人の言葉を思い出す。「ビクトリア・ハーバーの風水は世界一。それで香港が蓄財できて金融センターになったのだ。その風水に絶対にタッチしてはダメ。埋立てで風水をぶっ壊したら、街に不運を招くだけ」。まあ、迷信といったら迷信かもしれないが、ものすごい言霊だった。

 今の香港は確かに不運だ。それはビクトリア・ハーバーの埋立てのせいかどうか定かではないが、ハーバーに突き出した埋立地がフェリーの航路と航海時間を半分ほど短くした。あっという間に九龍側に着いたことを、まったく有難いと思わない。

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