努力すれば成功するか、成功しなければ努力するか

 努力すれば、必ずしも成功するとは限らない社会である。かといって努力しなくていいのか。先日、ある在中日系企業の中国人幹部研修会でこのような議論になった。

 「努力しなければ、成功はない。努力すれば、少なくとも成功の可能性が出てくる。だから努力すべきだ」
 「いや、努力しなくても成功する連中がいる。権力で成功する人がいる。社会がおかしくなっている」
 「権力を手中に収めるためにも、努力がいるよ。公務員になるのがいま大変だろう」
 「そういう努力は、よくない努力だよ。動機不純だ」
 「公務員になりたいからといって、その努力がよくないと画一的に言えないだろう」
 「じゃ、動機の純不純で努力の善悪を判断するには、基準があるのか。そんな主観的な判断では基準がないだろう」
 「それは確かにそうだ。判断しようがない。会社の中でもそうだろう。老板がいる前では努力する振りを見せるだけ、そういう連中は評価されるのがおかしい」
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  努力と成功、主題からやや脱線しつつも、議論自体が深まっていく様子なので、私はあえて止めなかった。

 さあ、努力と成功の関係はどうやら明確になってきたようだが、問題はわれわれ一人ひとりの姿勢である。成功は約束されない社会である。あなたは努力しますか?答えはたくさんあっていいと思う。人生はいろいろ。