日本の新首相は誰？麻生氏が総裁選の不出馬を表明したところ、情勢がほぼ決まった。キーパーソンは麻生氏。2つのシナリオが描ける。
シナリオその1、「太郎・太郎」で麻生氏の本命は、河野首相。ただストレートにそれが実現する可能性が薄い場合、リスクが生じる。キーとなる派閥間の協力が完全に失われると、石破氏といったとんでもない人物が浮上しかねない。そこで「ワンクッション」置いたアプローチが必要だ。
シナリオその2は、その「ワンクッション」案。経過措置としての「短命政権」をいったん菅氏に預ける。ただし交換条件としては菅氏の次は河野首相に内定する。そうすれば、最大公約数的に決着がつく。その代りに石破氏も岸田氏も排除される。現時点河野氏が出馬表明をペンディングにしているのも、シナリオの最終決定を待っているのではないかと。
「ワンクッション」案のもう1つのメリットは、11月の米国大統領選の結果を待って方向確定できることだ。それまでに日本は対中姿勢を保留したい。将来の日米関係でいえば、「トランプ＋河野」コンビがベスト。ただ河野氏が首相になって早い段階で対中強硬姿勢を明らかにしてしまうと、万が一バイデンが当選した場合、日本だけが「反中国家」として孤立し、中国に叩き潰されるのがオチ。
あくまでも日本は米国追随で仕方なく中国と縁切りするわけだから、トランプの続投確定という保証を得てから表明したい。すると、過渡期として菅首相のワンクッションが都合がよい。保険になる。河野氏が水面下で進めている「シックス・アイズ」案件も時期を待って実現させる、という形になる。
と、私はこう見ている。