社会主義と資本主義の相思相愛、地球上の悪魔制度が産声上げる

 資本主義は、下層に対する搾取であり、民主主義は、上層に対する牽制(選挙)である。これで、バランスを取っているのだ。

 このバランス関係の円滑な機能を担保する重要なものがある。それは、流動性である。自由市場のメカニズムによって、「上→下」「下→上」の双方向の流動性が付与され、下層への転落リスクを与えながらも、下層から這い上がる「アメリカン・ドリーム」をも可能にした。

 一方、社会主義は、下層に対しては、搾取と牽制(統制)のダブル機能をもち、「上→下」と「下→上」の双方向流動性をすべて遮断したものである。「下→上」流動性の欠落は、人のやる気を削ぎ、価値と富の創出の面ではどうしても資本主義に負けてしまう。社会主義者はそこで資本主義者との結託を企みはじめる。

 見事に、ベクトルの方向が一致する。資本主義のエスタブリッシュメントは既得権益の確保を望み、更なる貪欲を貪り、いよいよ「上→下」と「下→上」の双方向流動性の遮断に目を向けると、社会主義制度の機能的適合性に気付く。そこで民主主義が邪魔になる。

 ここまでくると、資本主義のエスタブリッシュメントが左傾し始め、社会主義崇拝に傾く。そのとき、待っていたかのように、社会主義の独裁層がより大きな資本とパワーを手に入れ、世界制覇しようと、資本主義のエスタブリッシュメントと相思相愛の関係に発展する。

 現今のアメリカでは、草の根だったはずの民主党と資本家層の共和党の位置がなぜか、逆転している。その根本的な原因(メカニズム)はここにある。補足すると、共和党の中のエスタブリッシュメントは、実は草の根を見下している。彼らはひそかに民主党に合流し、アンチ・トランプに乗り出している。

 民主党が米国の権力を掌握した後、抑圧された下層の問題が増大する。彼たちはいくつかの手を考えている。

 1つは、ばら撒き。暴動が起きないほどの最低レベルの生活を保障し、流動性遮断状態の維持を可能にする。2つ目は、欲望の放縦を容認し、性や麻薬によって絶望からの逃避と堕落を誘い、生活保障とともに、社会主義政権への依存を高め、下層の票田を確保する。3つ目は、情報統制、洗脳、国民の覚醒と団結を妨害する。4つ目、AIとビッグデータのよる全国民の行動・思想管理。5つ目は、銃規制の強化か銃禁止、国民の反抗の最終手段を剥奪する。

 今後のアメリカでは、この方向性が徐々に見えてくるだろう。社会主義と資本主義の相思相愛と合体により、地球上の悪魔、社会資本主義制度が産声を上げようとしている。

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