台湾出張(2)―飲み屋でも一服の権利が剥奪

<前回>

23688台湾式の芋粥で、今日も一日始まる

 昨夜は、打ち合わせを兼ねて台湾料理の夕食を、「青葉」(新規オープンの「AOBA」)で取り、その後は、日本人集まる夜の繁華街、林森北路のスナックに入りました。

 私は、いつものつもりでシガーに火をつけると、思わず周りからちらちらと視線を感じます。気が付いたら、入り口にデカデカと禁煙マークが付いていました。えっ?飲み屋でも禁煙?(でも、夜9時以降なら吸っても大丈夫らしい)

 ホテルに戻って早速インターネットで調べると、2009年1月11日より台湾全土で「禁煙新法」が施行された記事がありました。この新法では、3人以上いる屋内は全て禁煙となるほか、街中での歩きタバコも禁止となっています。屋内にて喫煙が可能な場所は「独立した空間に空調機が設置されている場所」(喫煙室等)のみとなります。空港は、全ての喫煙室を全面封鎖し、使用停止。鉄道駅、プラットフォームや車内での喫煙は禁止、タクシーは客搭乗中かどうかに関わらず車内はすべて禁煙で、ドライバーも客も喫煙する事は出来ません。違反すれば煙害防止法罰則により、2000~10000元(台湾元)の罰金が課せられます。

 それは、ないでしょう。中国本土でそんな法律をやったら、暴動が起きるか、まったく実行されないかですね。

 欧米や香港では、禁煙立法が早い段階からあったことは知っていましたが、台湾にも波及しているとはびっくりしました。法律人として、事前学習の不足で赤面します。法律は法律だから、守らないといけません。せっかく途中香港空港の免税店で買い込んだシガーもお預けです。

 禁煙立法の趣旨は非難できませんが、喫煙者の権利も守ってほしい。「禁煙」ではなく、「分煙」が大事ではないかと思います。多元化された世界では、一つの権利を守るために、もう一つの権利が損なわれることが多い。そして、世論でも、「禁煙」賛成と反対が分かれますし、色々な意見や観点、利益所在もあるでしょう。このような多元的な存在を認めて、なるべく共存の空間を提供すべきではないでしょうか。

 それよりも、日本と中国(本土)は、実に喫煙者にやさしい国だなぁと感じた今このごろです。お昼の後は、夜まで取引先、弁護士との打ち合わせが続きます。

<次回>