紙書籍の魅力、著書が手元に届いた・・・

 海外というのもあって、読者配送分よりも遅く、やっと自分の手元に著書『「なぜ」から始まる「働く」の未来』が届いた。

 デジタル電子版と違って、紙ベースの書籍に触れたときの感動はやはり、格別だ。執筆を終えて、何よりも編集校正段階の苦労は大きい。私よりも編集者のほうがかなり苦戦したと思われる。

 私はとりあえず原稿をどーんと出す方で、まず500ページ近くもあった原稿を適正量に削減するのが、編集者の仕事。さらに、私の執筆原稿は一気呵成でなく、バラバラで短編から持ってくるものもあって、内容的に重複する個所を見つけ出して、処理しなければならない。それも編集者の仕事。

 そこから、誤字脱字という文章語句のチェック。いちばん大変なのは、「賢明」と「懸命」のような漢字変換ミス。いくらプロの編集者であっても、見落としがある。再度私のところに原稿が回ってきて著者チェックにかかってみると、まだまだミスが見つかる。人間ってミスするものだ。

 電子版コンテンツの場合、後日修正も可能だが、紙の書籍ではそれが効かない。あらゆるミスが永久にこの地球上に残ることになってしまう。それを考えると、何としてでもミスゼロに近い状態に仕上げたい。故に紙書籍は電子版よりはるかにコストがかかっている。

 単にコンテンツという意味で、電子データの合理性はいうまでもない。ただ、紙には紙の良さがある。旅先のホテルで朝食を食べながらの読書。夢中になってクロワッサンから垂れ落ちたバターの一滴が頁に永久のシミを残す。数年後に再読してその頁をめくったその瞬間、あの朝の陽光が鮮明に眩しく脳裏に蘇る。

 人生には何か跡を残したいものだ。

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