つかの間の安らぎ、白天鵞賓館に泊まる

 日曜日(12月13日)は、早めのフライトで広州へ向かった。久しぶりの休日で、広州の街を散策してみようと思った。

30561_1一応名門ホテルの広州白天鵞賓館
30561b_1ホテル裏の沙面に立ち並ぶ旧洋館

 今回、宿を取ったのは、越秀区の労働仲裁院(月曜の仲裁出廷の場所)の近く(車で5分ほど)にある、あの古い名門ホテル、白天鵞賓館(ホワイト・スワン・ホテル)。広州出張といえば、いつもオフィス街・天河(広州東駅)界隈のホテルに泊まっていたが、いつか古い広州を歩いてみたいとずっと考えていたので、今回は願いがやっと叶えられた。

30561_2アジア大会に備えての大改装工事
30561b_2洋館の一角に住民は変わらぬ暮らしを営む

 珠江の河畔にある白天鵞賓館に泊まる目的は、二つ。一つは、ホテルの裏にある沙面を散策すること、もう一つは、ホテルから珠江の夕日をセンチメンタルに眺めることだ。

 午後、ホテルに着いたらすぐに出かけることにした。目指すは、沙面。

 沙面は、神戸の異人館のような存在だ。古く今から1000年ほど前、宋や元の時代より外国貿易を行うために作られた小さな人工島、アヘン戦争後は英・仏両国の租界地となった。古き時代に建てられた西洋建築物が現在も数多く残っている。オールド広州へタイムスリップしたような異国情緒漂う街の中を、ゆっくりと歩いてみたかった。

30561_3沙面、「神のご加護を」ポーズのブライダル写真風景
30561b_3沙面、至るところに出店するスターバックス

 いざ、沙面を歩いてみると、大工事現場に突入した。アジア競技大会に備えて、町中ひっくり返すように改装工事が進められている。騒音、埃、叫び声・・・私がイメージしていた、時が緩やかに流れるのどかな風景などはどこにもない。やっぱり、ここは中国か、1時間くらいさっと回ったら、逃げるようにホテルに戻った。

 ホテルのロビーラウンジでゆっくりとコーヒーを飲みながら、珠江の夕日を楽しもうと考えていたが、これもダメ。日曜日とあって、ロビー中に子どもたちがわいわい走り回っている。とても、静かに楽しむ雰囲気ではないので、諦めて部屋に戻った。

30561_4ホテルの部屋から眺める珠江の夕日
30561b_4白天鵞賓館のバーで一日を締めくくる

 シャワーで汗を流して、気が付いたら、先ほど曇っていた空から、夕日が顔をのぞかせ始めた。最高だ。ロビーでのコーヒーならぬ部屋でのミネラルウォーターを飲みながら、夕日の珠江を眺める優雅なひと時を過ごせた。

 つかの間の休みが終わった。明日は、仲裁だ。