道私者乱、道法者治。千里之堤、潰於蟻穴

 コンサルティング会社自身の経営は、どのようなものか。そして、当社のような人事労務を専門とするコンサル会社では、従業員は人事管理の「奥の手」をほぼ知っている。社内ではどう対処すべきか。当社の年頭の社内訓示を以下掲載する。
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エリス・コンサルティング従業員各位

 2009年という危機に満ちた1年に、エリス・コンサルティングは業績に落ち込みがなく、前年度とほぼ同様な収益を上げることができました。しかし、危機は満足とともに生じ、人事労務分野での優位性は、われわれの過去の歴史にしかなりえません。向上心のある同業他社には、たちまち追い抜かれることでしょう。

 繰り返し言います。エリス・コンサルティングという会社は、老板中心の会社ではありません。どんなときでも、お客様中心の会社です。従業員の皆さんは、老板である私を尊重しなくてもまったく問題ありません。しかし、お客様を尊重しないことだけは、決して許されることはありません。何時でもどんな行動を取ろうとも、この原則に合致するかどうか、再考してください。

 私たちは、人事労務コンサルティング会社です。率先して、「自律」と「他律」の均衡を実践しなければなりません。新年度には、私がセミナーで繰り返し語っている原則を徹底します。これら原則は、顧客企業に対してだけでなく、我が社を含むすべての企業に適するものです。小さな会社で、アットホームなファミリー的な関係であろうとも、「国有国法、家有家規、麻雀雖小、五臓具全」、国には国法あり、家には家規あり、雀は小さくても五臓六腑は全て備えている――例外なきです。

 以下は、私、立花聡の理論であり、またこの会社の従業員の行動基準でもあります。

 「無他律、則無自律。無自律、則亡他律。無律者無力、無力者則亡」 (他律なくして自律なし、自律なくして他律滅びる。無律者は無力、無力者は滅びる)

 上記の立花聡の理論は、中国戦国時代の法家である韓非の著書『韓非子』(かんぴし)に書かれた名言に基づいています。原文を皆さんに紹介し、互いに励ましあうものとしましょう。

 「道私者乱、道法者治。千里之堤、潰於蟻穴」 (私情を語れば乱れ、法規を語れば治まる。千里の堤も蟻の一穴から崩れる)

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