銀メダルに意味なし、グローバル競争時代の残酷オリンピック

 「昔は、1位から3位ぐらいまでは利益を享受できるなど共存共栄できていたわけです。今のグローバル競争時代では、1位の企業に全部注文がくるのです。オリンピックでは、金から銅まで褒めてもらえますが、企業競争の世界では、銀では価値がないのです」

 日本電産・永守重信社長の言葉だ。

 日本企業にとって、中国市場は新しい舞台である。日本国内の産業構図にこだわらずに日本国内のトップ3、トップ10ランキング外でも中国に来てトップに躍り出る事例が多数ある。過去の成功経験や既成概念の囚人になればどんな巨人でも中国で脱落する。

 日本国内の競争が正規のオリンピック陸上だとすれば、中国市場の競争はまさに野外試合だ。アフリカの原野で、競技場もなければ、運動靴だって履かない、裸足で走り、競争相手のことを気にしながらも猛獣が襲ってくるかもしれないし、草むらの中からガラガラ蛇が出てくるかもしれない。四方八方の危険を察知し、ゴールに向けて全力疾走するには、サバイバルの力に頼るしかない。

 そんな中で、構図の塗り替えを目指せ、金メダルを目指せ。これは中国市場でも同じ、銀メダルでは価値がない。