阿鼻叫喚の地獄絵図

 「殺処分」

 宮崎県で広がる家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)問題で、肉牛と豚は電気ショックや二酸化炭素ガス、薬で次々命を絶っていく。

 「トラックに積まれた牛の死骸はおびただしい死臭を発する一方、失禁状態のために糞尿や胃液は垂れ流しになっている。『殺処分された牛の目は開いたままなんです。殺しても、じっとこっちを見ている』とある役場職員は語り、電気ショックで生後1か月の子豚を殺した別の職員は『1歳になる自分の息子と姿が重なる』と顔を歪めた」(「日経ビジネス」5月24日号)

 阿鼻叫喚の地獄絵図。

 「殺処分」というのか。人間ってずいぶん偉くなったもんだ。動物の生命を断たせることは、何で、そう軽々と「処分」と言えるのだろう。私は記事を読んで、思わず涙があふれて食事が喉を通らなくなった・・・

 いくら動物といっても、心も感情もある。病気にかかって苦しんでいる動物も、何ら病気もかかっていない健康な動物も無差別に虐殺されていく・・・人間のため、私たち人間が健康に生きるために、私たち人間の幸せのために、命が一つ一つ断っていく・・・ 「処分」とは何なんだろうね。もう少し敬意を払ってもいいのではないか。

 私は、深く、深く罪を感じた。人間の罪は深い。私自身も犯罪者の一人だ。どうか許してくれ・・・神様!