失敗しないための・・・

 「失敗しないための・・・」

 というキーワードでネット検索すると、80万件もヒットする。「失敗しないための・・・」情報やマニュアルは、日本中いたるところに充満している。

 いまの日本人がもっとも恐れているのが「失敗」だ。究極の「失敗しないための・・・」技とは何か?それは行動を起さないことであり、何もしないことであり、不作為に徹することである。行動を起すことは、リスクを意味する。「失敗」を恐れる人は通常、「リスク」を負の意味で捉える。

40506_2ウィンストン・チャーチル

 しかし、リスクを取らないリスクは、一番大きなリスクだ。

 「成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである」、「成功は決定的ではなく、失敗は致命的ではない。大切なのは勇気を持ち続けることだ」。

 有名なリスクテイカーであるウィンストン・チャーチルの言葉だ。

 「いままで特に問題がない」。コンサルティング現場で、「変化」を拒む企業の方がいる。いままで問題がないからこそ、変化を取り入れなければならないのである。「いままで問題がない」=「将来も問題がない」という図式を成立させるために、一つだけ条件が必要だ。それは、「世界が変化しない」ことだ。世界が変化しなければ、経営者も要らなくなる。過去の成功経験を盛り込んだマニュアルだけで済む。

 ユニクロの柳井社長は、人生は1勝9敗というが、それでは勝率が低すぎる。私の場合は、僭越ながらもう少し勝率が高い。基本的に2回失敗したら、3回目は成功する。そして、失敗の教訓から、次からは1回の失敗だけで成功したり、あるいは失敗せずに成功したりする。

 リスクは、失敗の前兆であり、また成功の道しるべでもある。失敗しないためにどうすれば良いのか?失敗しないために、失敗するのだ。