北欧休日(13)~夕日浴びるカラフルなブリッゲンに魅了される

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 ブリッゲン地区(Bryggen)は、ベルゲン港に面した三角屋根の木造のカラフルな建物が並ぶ地域である。ベルゲンのシンボルとして、1979年に世界遺産に登録された。

42457_2ブリッゲン

 ブリッゲンは、ノルウェー語で「岸壁」あるいは「埠頭」という意味で、ハンザ同盟時代のドイツ人街だった地区に、奥行の深いカラフルな木造倉庫が立ち並んでいる。建物は伝統的な技法で修復されており、現在は表側にレストランや工芸品店、ブティックが開設され、奧は芸術家たちの工房として使用されている。いわゆる上海の「新天地」のような場所だ。しかし、「新天地」には決してなっていない。旧天地のまま修繕されているだけという感じだ。

 とても古い建物で、近く見ると、歪んでいたり傾いたりしているところもあることに気付く。長屋のように建物同士がしっかりと支え合っているところが面白い。もしや建てた当時、木造建築物の脆さをカバーし長生きさせようと、わざわざそのような様式を採用したのではないかとまで思えた。

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42457b_3対岸から眺めるブリッゲン

 建物をカラフルにしたのは、寒冷地であるが故に、少しでも人に温かみや活気を与えようという意図も込められたのだろうか・・・

 私は、港を挟んで対岸からブリッゲンを眺めるのが好きだ。燃えるような夕日を浴びるブリッゲンの建物は、より鮮やかに見える。夕焼けで黄金色帯びた青い空を背に、港の静かな水面が鏡となり、二つの鮮やかなブリッゲンを映し出す。

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42457b_4シガーを1本・・・

 ブリッゲンはすでに騒々しい観光地となったが、対岸から眺めていると、すべての雑音が見事にミュートされる。シガーを一本燃やし、絶景を眺めながら沈思に耽る。

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