ベトナムはNEXTになるか

 私が担当していた顧客の中でも、ベトナムへのシフトが決まった企業がいる(中堅の労働集約型で、経費が厳しく、とうとう当社とも2年前に解約せざるを得なくなった)。

 どんどん上昇する中国の人件費コスト。最近の賃金条例(法案化中)や賃上げメカニズムの確立で一層拍車がかかった。

 「現にストライキさえやれば、必ずと言っていいほど各社が賃金を引き上げてきた。それを知った従業員は、今後またストライキをやるだろう。また、それがいつ起きるか分からないわれわれは、恐怖さえ感じる。彼たちの顔色を見て工場を経営すると考えると、先が真っ暗だ」。このような日経企業の総経理もいる。

 移転の話も少しずつ増えてきた。移転先はなんと言ってもベトナム。

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 いったい、ベトナムは中国の「NEXT」になりえるか。いろいろ、噂は聞いているが、コンサルタントとして、自分の目で確かめたい。国慶節の休みを利用して、ベトナム視察出張に出かけることに決めた。

 私が初めてベトナムを訪れたのは、1996年。「ミス・サイゴン」に惹かれて、「サイゴン陥落」の現場をこの目で見たくてベトナムの土を踏んだ。14年後のいま、いよいよ、一部労働集約型企業にとって「チャイナ陥落」になる。

 今回は、ホーチミン市だけの視察で、日系企業のほか、台湾系企業の状況も確認してみたい。

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