独裁者は無能な人が多いのか?そして「新・大政奉還」

● 独裁者は無能な人が多いのか?

 「独裁者は無能な人が多い」という人がいる。民主主義の洗礼ないし洗脳を受けた者ならそう本能的に感じるだろう。

 習近平も、プーチンも、金正恩も、そして民主主義国家の独裁者もどきであるトランプも、マキアヴェッリの君主論に照らしていずれも優秀な、帝王級の指導者である。トランプが前3者を好意的に捉え、付き合っていたのも、同類のテレパシーがあったからだろう。しかし、不運にも、トランプは民主主義に引きずり下ろされた。

 支配という過酷な「事実認識」を隠蔽し、善悪という幼稚な「価値判断」で大衆の本能を刺激するのは、民主主義であり、マキアヴェッリズムを否定するのも民主主義である。その本質を、オルテガがえぐり出し、「大衆の反逆」で克明に指摘した。

 だが、このような古典は、現代の大衆にはほとんど読まれない。読んでもそのパースペクティブで現世を認識することはない。無論、私のこのコメントにもほとんど興味を示さない、いや、むしろ反感を覚えるだろう。
 
 しかし、この事実は、古今変わることはない。これからも変わらない。大衆はそういう羊の群なのだ。トランプは羊の反逆で引きずり下ろされた一方、羊理論を生かして裏の支配者に成り上がったのは、ディープステート(DS)だった。

 特に民主主義国家ではディープステートは政府内部に存在し、民主主義的なプロセスを尊重するように設計された政治システムにおいて、選挙や政治的プロセスなどを裏で操って影響力を行使したりする。そういう意味で独裁政権と比べると、隠蔽性がより高く、たちが悪い。

● 日本には「新・大政奉還」が必要だ

 日本は天皇陛下についていけばいいという国柄だ。民主主義に毒された大方の日本人は、義務も責任もリスク意識も伴わない「自由」や「権利」に暴走した。日本国を救う唯一の道は、欧米型民主主義の放棄と大政奉還だ。

 大政奉還、さらに天皇陛下には側室を設けていただく必要がある。天皇家は戸籍も苗字もない。一般人と同じような民法適用ではおかしい。皇室の継承には競争が必要だ。日本国民のためにももっとも優秀な皇太子が選ばれるべきだ。一般国民同様の権利や自由を欲しがる皇族は、その意志を尊重してそうしていただければ宜しい。

 私「新・大政奉還」を主張するは、天皇陛下1人の意思決定が1億人のそれより優れるからでなく、1億人の意思決定が合わさったものが1人のそれより劣っているからだ。そもそも、1億の「意思決定」など存在すらしない。あるのはほとんど、私利私欲、感覚や感情、ルサンチマン、無知、そして何よりも自認善意と正義である。その足し算をするのは、民主主義。

 王政復古や大政奉還といった話は、現今の日本では、議論のテーマにすらならない。議論しない、議論を容認しないのは、民主主義の原理原則に反する。民主主義は反・民主主義を含めた議論を容認しないなら、それだけ自信のない現れであるし、それ自体も一種の独裁専制である。

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