C’est Si Bon、シャンソンがジャズになる日

 C’est Si Bon(セ・シ・ボン)。

 れっきとしたシャンソンが何と、ジャズとして歌われ、突然とサンバに唐突な変身を遂げる。フランス人ボーカリストの「裏切り」に一瞬、怒りを覚えた・・・

 金曜日の夜、ジャズコンサート鑑賞。

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 何を隠そう。私はまったくのジャズ音痴。いつもクラシックやオペラばかりじゃ面白くないので、たまに知らない世界をのぞいて見ようと、好奇心でチケットを買った。

 クラシックは、どこの楽団だろうとどの奏者だろうと、基本的なところが変わらない。いつ聞いてもその変わらない安心感に酔い痴れる。演奏が進むにつれ、次なるシーンを自分の心の中で描いて、ストーリーを追って行く。その日そのときの気分で自分なりのイマジネーションや解釈が頭の中に描かれるのだ。これが私にとってのクラシックの醍醐味。

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 しかし、ジャズの場合、主導権がボーカリストや奏者に握られる。自分の「安心感」が奪われたときいささか苛立ちを感じ、次第に怒りへと化していく。人間として、外的要素による変化をいかに本能的に嫌うかを改めて思い知らされた。

 ジャズには、きっとジャズの醍醐味がある。このような外的変化、想定外の展開に、驚きの喜びを感じたとき、きっと新たな美しき世界が広がるのだろう。

 経営も芸術である。経営者にとってのジャズは何だろう・・・