お金騙し取られた!神はなぜ助けてくれないのか

● お金騙し取られた

 フェイスブックには、よく日本人の「お金騙し取られた」体験談が載っている。その上、弁護士が冷たい。助けてくれない。なぜなら、借用書を書いてないし、証拠がないからだ。当たり前だ。証拠がないなら、訴訟に勝てない。まともな弁護士は引き受けない。

 ここまでは共通しているが、先日見たAさんの体験談は酷い――。借用書がないにもかかわらず、それでも弁護士は、人に貸したそのお金はどんな収入でいつどこからどの口座に振り込まれたか、またいつどこに送金したかと根掘り葉掘り、懸命に金流を追ってなんとか証拠を見つけようとする。なのに、Aさんは弁護士はなぜ信用してくれないのかと文句を言う。弁護士を変えようと。

 Aさんが期待しているのは、単に「そうだそうだ、騙した奴が悪だ」という同調・同情だけだ。勝ち目もない訴訟を起こして弁護士代訴訟費用まで(正当に)巻き上げられるのがオチ。騙される理由はそこなのだ。理性的な話が通じない。そういう人は調べると、大体自称保守右派だったりする。率直に言って、頭が悪い。

 ついでに思い出したが、核汚染水の海洋放出。未だに、あの日中韓のトリチウム比較マップをシェアする右翼馬鹿がいる。他人ながら赤面してしまう。文化大革命中に「毛沢東語録」の赤本を振っている紅衛兵と一緒だ。プロパガンダに乗せられても自覚がない。

● 神はなぜ助けてくれないのか

 Aさんの場合、宗教絡みで、借用証も領収書もなく、口約束だけのお金のやりとりで騙された。私から「証拠がなければ、訴訟も負ける確率が非常に高い」と助言したら、こんな回答がやってきた――。

 「証拠が無ければ何をやってもいいのですか?神というものは冷たいものですね。全知全能の神と言ってますが、善人の味方なんてしてくれないのですね。神を信じてきた私が愚かだったということでしょうか?」

 私は以下のように答えた――。

 「証拠が無ければ何をやってもいいのか?法律からいえば、そういうことになります。刑事なら、無罪推定の原則があり、たとえ殺人であれ、証拠がなければ、無罪です。権利を主張する側、つまり請求をする者が立証責任を負います。相手が何をやってもいいよりも、あなたはやらなければならないこと(立証責任を負う)をやらなかったのが問題だったのです」

 「結論、宗教と法律をごちゃまぜするあなたが愚かだったのです。神は自ら助くるものを助く。神は自助できる人しか助けてくれません。あなたは愚に過ぎず、善の範疇には入っていません。善と愚をもごちゃまぜしないほうがいいと思います。責任は神でなく、あなた自身にあります」

 神頼み一本で、自助努力も何もしない人は、神に見捨てられる。多くの日本人に共有してもらいたい内容だ。悪にやられた相手は、必ずしも善ではない。弱だったり、愚だったりもする。悪にやられた自分を善に仕立てるのが偽であり、神に余計嫌われるわけだ。

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