日本沈没

 4月13(水)、朝から、携帯電話が地震警報で鳴り止まない。東京の街は揺れている。また地震だ・・・。

 地震は、この島国の宿命である。いつやってくるか分からない。目の前にあるものは一瞬にして無に帰す。これに直面しつつ、強く、強く、生きてゆく。「無常」の世界観に伴う生命力と美学は、日本人のかけがえのない財産である。

 「死」を考えての「生」。世紀の災害で日本人は何かを取り戻しているに違いない。私は、そう願ってやまない。「しがみつく」という言葉がもたらすのは、喪失に対する恐怖と苦痛だけである。

 日本沈没。災難の日本に更なる呪いをかける人もいるだろう。しかし、世の中、怖いのが沈没ではなく、しがみつく大衆だ。しがみつく人が一人増えれば増えるほど、沈没が早まる。

 日本沈没は怖くない。知恵と勇気でノアの方舟を造ればよい。これは、大地震が日本に贈ってくれたかけがえのないメッセージだ。