顧客目線と自己否定

 事務局が、セミナー告知を会社ウェブサイトにアップした。よく見ると、一部改行の乱れがあったり、所定の体裁になっていない。

 さっそく原因を聞くと、担当スタッフのAさんは、「私のパソコンから見ると、乱れていません」。

 「では、お客さん全員、Aさんあなたのパソコンから見ているのか」。私が直ちに問い詰める。

 これこそ、顧客目線。顧客の目線でものを見ているのか。私はスタッフの人事考課について、ミスの有無よりも、ミスに対する姿勢を問う立場をとっている。

 人間は誰もが本能的な自己防御機能をもっている。問責から逃れようとするのが常である。私自身を含めて、例外はないだろう。自分のミスよりも、顧客に対しての結果に着目し、改善を重ねていくことは、恒常的自己否定を根本とする。

 自己否定はそう簡単なものではない。でも、自己否定ができたとき、人生は楽になるし、見える世界はがらりと変わるはずだ。私自身もたびたびミスをやっている。私のミスを指摘してくれる従業員を高く評価し、みんなの前で喜んで自分のミスをすべてさらけ出す。

 自己否定をしよう。