女子部下の生理手帳をつける上司?いよいよ「生理休暇条例」

 いよいよ、中国にも「生理休暇」が登場する。しかも、有給。

 まず、第一弾として、内陸都市の四川省成都市は来年3月8日に、「成都市婦女権益保障条例」(以下、「成都条例」という)を実施する。

 「成都条例」は、企業が女子従業員と締結する労働契約には従来の妊娠期間、出産期間、授乳期間(俗称「三期」)に加え、生理期間の特殊労働保護条項を盛り込む義務を規定した。賃金面では、有給扱いで、減給禁止。

 上海市総工会も、生理休暇の集団契約への盛り込みに前向きの姿勢を示しており、条例の制定は時間の問題であろう。

 女子従業員の権益擁護は大変素晴らしい。企業にとって、三つの難問に直面している。

 (1) 生理期間にあることの証明と生理痛などによる就業困難の証明。
 (2) 生理休暇を取った者と取らない者の不公平の是正(生理期間に支障のない正常出勤の健康者が相対的に不利益になる)。
 (3) 生理休暇が月1日として計算した場合、すべての女子従業員に年間最大12日の有給休暇が増えることによって、特に百貨店や一部労働集約型企業では、重大な人員不足と人件費コスト上昇を余儀なくされる。

 私が以前セミナーで冗談半分で言ったことだが、「上司が部下の女子従業員の生理手帳をつける日がくるかもしれない」というのが、現実になる。会社にとって、女子従業員の生理休暇管理が新たな必要業務になるだろう。

 生理休暇についての状況と対応の説明は、次号・顧客向け会員誌「ERIS法務人事レポート」に掲載し、また「2012・中国人事労務トラブル・賃上げ対策セミナー」でも、詳しく解説する。

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