B級ではあるが、マレーシアはグルメ天国だ。意外にも知っている人が少ないかもしれないが、紛れもない事実である。少なくとも私にとっては。
マレーシアの食の楽しみは、いろいろある。
まず、何と言ってもサテ。炭火で焼き上げる鶏肉や牛肉、羊肉に温かいピーナッツソースをどっさりとつけて豪快に頬張る。ピーナッツソースは、温かいものでなければならない。砕いたピーナッツの油分とココナッツミルクの甘みが絡まり合い、その豊饒なこってり感が格別だ。日本の焼き鳥が男性的だとすれば、マレーシアのサテは極めて女性的である。レストランで食べるのも良いが、私の場合、ビーチサイドで天日干ししながら、キーンと冷えたビールと一緒にいただくのが大好きだ。
次は、カレー。マレーシアのカレーは、タイのグリーンカレーほどハーブ・香辛料の強烈な自己主張がなく、よりココナツミルクが効いて温厚でマイルドなものである。汗だらだらして格闘することはない。カレーよりも料理のソースとしても生かされているところが面白い。
中華料理もうまい。最近ありがちな創作系ではなく、オーソドックスな中華が素晴らしい。何代も伝承される南洋華僑の味でセンチメンタルになる。
ほかに、マレーと中華の混血ニョニャ料理、イポー地方の土鍋鶏飯、ラクサや肉骨茶(バクテー)・・・、一通り楽しむには数週間はかかるだろう。
次回の楽しみとしよう。次は7月頃訪馬する。
<終わり>