ケニア(1)~アフリカ旅行前奏曲、旅の準備いろいろ

 「忙しい」という言葉は口にしたくないが、9月末までの予定がほぼ埋まってしまった。どんなに仕事があっても、遊びの時間は絶対に確保したい。発想転換に欠かせない資源補給だ。

 今年8月のお盆休みは、アフリカ旅行。行先はケニア。8月9日出発、現地合計9泊のサファリの旅だ。

 「えっ、アフリカ?あんな遠いところに行くんですか」。といわれても、上海からの直線距離で東アフリカもヨーロッパもそう変わらない。それよりも、行くための準備がいろいろあって大変だった。

84444_284444b_2東京のケニア大使館(下)で入手したケニア入国ビザ(上)

 まずは、ビザ。ケニアのビザはナイロビ空港でも取得できるようだが、状況変更の不確定要素や順番待ちの時間を考えると、事前取得を決めた。ただ上海にケニア領事館がないので、前回6月の東京出張時に、目黒区にあるケニア大使館で申請・取得した。申請書、往復航空券Eチケットのプリントアウトと写真を提出して1日で取れた。

 次に、黄熱予防接種と証明書(イエローカード)の発行。ケニアは、WHOが指定する黄熱の「感染危険国」である。「感染危険国」から来る渡航者に対して、黄熱予防接種証明書の提示を求める国(証明書要求国)と求めない国(非証明書要求国)が分かれている。日本は後者で、イエローカードがなくても、短期のケニア旅行なら問題なく帰国できるのだが、中国は前者の証明書要求国であるため、ケニアから中国に戻ってくる際、イエローカードの提示を求められる可能性がある。そのとき、提示できなかった場合、予防接種のうえ、入国できずに1週間以上「留置場」で観察されることになる。

84444_3上海で入手したイエローカード
84444b_3黄熱予防接種推奨地域

 ということで、おとなしく上海の検疫所で黄熱予防接種を受け、イエローカードを発行してもらった。ちなみに黄熱予防接種は1回打てば10年間有効なので、イエローカードは2022年まで使える。この10年間、どんどんアフリカや中南米を旅行しよう。

 さらに、サファリの手配。日本人の場合、通常日本あるいは現地の日系旅行会社に頼んで、送迎から滞在中の宿泊、移動とサファリをセットにしたパッケージを組んでもらうのだが、私は自分で好きな場所(サファリのベースとなる宿泊キャンプ)を選んで、そのキャンプの独自のサファリカーを利用する。

 日系が得意とする全日程のスルーツアーガイドの場合、最初から最後まで一人のガイドがつき、楽といえば楽だが、そのガイドの人間性や専門家の腕にかかっているので、外れた場合は最悪だ。サファリといえば、見たい動物をうまく探し当てるのがガイドの腕の見せ所。各地のサファリを回っている「ゼネラリスト」よりも、特定のエリアに精通する地元キャンプの専属ガイド「スペシャリスト」のほうが良いに決まっている。

 費用面においても、パッケージのほう、手配担当の旅行会社の利益分が上乗せされるので、割高になる。私はエンドユーザーの直仕入れで、同じ予算でもパッケージより2グレード上の豪華なキャンプテントに泊まることができるのだ。

 時間の節約にもなる。サファリは2箇所以上回る場合、移動の時間がカギとなる。悪路や渋滞で半日や1日の時間を取られるよりも、早く現地入りして時間をゲームドライブ(サファリ)や休息に当てたい。パッケージだと、ほぼ陸路移動になるのだが、私の場合、交通手段を自由に選べるので、飛行機を使う。小型セスナ機を使えば、1日の陸路移動が2時間で済む。

 今回のサファリの手配は、2月頃にすでに完了していた。8月はサファリのピークシーズンで、かなり早い段階で手配しておかないと、宿泊も移動も取れなくなる。

 最後に、往復の航空券。私のアフリカへの接点は、山崎豊子の「沈まぬ太陽」だった。ただ今回は、同書に出てくる国民航空でなく、アラブ首長国連邦(UAE)の国民航空であるエティハド航空を使う。UAEといえば、知名度こそエミレーツ航空が上だが、実は同じ中東御三家に属する「エティハド航空」も「カタール航空」もなんら引けを取らない立派なエアラインなのだ。この「エティハド航空」は今年3月から相次いで上海やケニアのナイロビへの新規乗り入れを実現し、上海発アブダビ経由のナイロビ往復はなんと5000元台という破格なキャンペーンを売り出したのだった。ちなみにいま買うとすでにほぼ3倍の料金に跳ね上がっていた。

 そうだ、忘れてはならないのが、撮影機材。標準以外の望遠レンズは、現状の200ミリの1本のみで新調しない(これ以上のものは使いこなす自信がない)。新たに購入したのは一脚とレンズに付着するホコリを吹き飛ばすブロワー。サファリ車内の狭い空間では三脚が無理だし、またサバンナ走行で撮影機材にホコリが付着することが予想されるためだ。さらに、先日、ソニーの手ブレ防止機能付きの新型ハンディカムを1台購入した。初のビデオカメラ導入である。

 ほぼ準備万端・・・。アフリカの夢が膨らむ。

<次回>