● トランプの「帝王学」
米国の民主派・反トランプ派が沈黙した。なぜか。
トランプはマスクと組み、政府各部門に監査を入れ、不正な取引を次々と炙り出した。しかし、逮捕も検挙もしない。逃げ道だけは残しておく。結果、関与者たちはその逃げ道を利用し、罪を問われることなく逃げ切る。そして、トランプの「独裁」に誰も異を唱えない。いや、唱えられない。
トランプの「帝王学」は見事である。
アメリカは、宇宙一の長寿国。社会保険データベースが示す年金受給者――。100歳以上の高齢者は2000万人以上おり、その中には130歳から139歳が390万人以上、140歳から149歳が350万人以上、150歳から159歳が130万人以上含まれている(2月17日付FoxNews)。民主主義の腐敗は桁が違う。中国のような独裁国家はこれをみて真っ青だろう。
――まだまだ途中だ。トランプとマスクが暴いたのは、兆ドル単位の政府の無駄遣い。そのうちの数十億、数百億ドル、いや数千億ドルという金が、汚職と不正によって特権階層のポケットへと流れ込んでいる。こうして、民主主義の象徴とされたアメリカが、独裁国家・中国以上の汚職腐敗大国であることが明らかになった。
● 民主主義の真っ赤な嘘
民主主義の神話は終焉を迎えた。今の民主主義は、理想の民主主義と照らし合わせたとき、果たしてどれほど一致しているのか。あまりにも乖離しすぎてはいないか。
民主主義と共産主義は、ともに素晴らしい理想の制度であった。しかし、共産主義は実現不可能であると証明され、消去項となった。一方、民主主義は実現した。そして、絶対善とされてきた。しかし、実現した民主主義が原初的な理念と一致しているかと問えば、答えは否である。
民主主義を不可侵の絶対善とするのは、特権階層(いわゆるDS)の既得権益を守るためにほかならない。最も厄介なのは、民主主義が左右を問わず誰もが反対できないシステムであることだ。どれだけ政権交代を繰り返しても、「搾取」と「収奪」の構造は変わらない。一票で政治を変えることができるという考えは、夢想であり幻想、妄想であり愚想にすぎない。
「トランプの独裁」と批判する者もいる。しかし、その独裁が民主主義の名の下で蔓延する巨大汚職と不正を暴いた事実を無視することはできない。中国の汚職が基本的に個人や小集団ベースで行われるのに対し、アメリカは国家・制度ぐるみで行われる。スケールが違う。
トランプはそれを取り除くために、制度と結託する道を選ばなかった。制度に取り込まれれば、改革は不可能だからだ。だからこそ、彼は「独裁」をやらざるを得なかった。そして皮肉にも、民主主義国家アメリカにおいて、独裁の良心という一縷の正義の光が差し込んだのである。
トランプが暗殺されぬことを、ただただ祈るのみ。
● 世界が変わる
米国は2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻3年に合わせて開かれた国連総会の特別会合で、ロシアによるウクライナ戦争を非難する決議案にロシアとともに反対票を投じた。長年の政策を大きく転換し、ウクライナと欧州が支持する決議に反対票を投じることで、米国は欧州の同盟国に背を向け、侵略者側についた。
世界が確実に変わる。改めてトランプ大統領に敬意を表する。
それよりも、米国追随の日本の政治家たちはどうするのか。ウクライナ支援に声を張り上げていた大衆は、今この現実をどう受け止めるのか。まさに、ざまを見ろ、と言うほかない。





