あなたも私も「間接売人」――中国依存の終わらない「麻薬中毒」

 私は偽右から「麻薬売買の売国行為加担者」と指弾を受けた。非常に示唆の深い対話だった。

【某読者コメント】

 (立花の中国サプライチェン依存論について)あんたが言ってることは、麻薬依存症の人に「麻薬が切れたら苦しいだろ?麻薬ほしいだろ?だったら金払え」って言ってる売人と同じだと理解してるか?商売は商売でしょ。麻薬の売買も中国企業との貿易取引も。中国に依存させて「中国との取引を切ったら苦しいよなあ。だったら俺達の言うこと聞くよなあ」ってのがいま中国がやってることだよね。あんたはそれに加担しているということ。自分が売国行為に加担しているということを自覚なさった方がいいと思いますよ。

【立花コメント】

 日本の中国サプライチェーン依存症について、これは実に面白い問題提起だ。少なくとも日本国民全体が依存症にどっぷり浸かっている現実を認めた点で、あなたは大方の偽右が全力で避けてきた領域に踏み込んだ。その意味で、高く評価する。

 依存症の比喩として麻薬を採用するなら、徹底的にその線で進めよう。麻薬も商品同様、生産者 → 流通・販売者(売人) → 消費者というプロセスを踏む。麻薬なら売人も消費者も有罪だ。では、中国サプライチェーンを麻薬とみなした場合はどうか。売人だけでなく、常習的に消費してきた日本国民のほぼ全員が有罪になる。

 だが私は、末端消費者の無罪を主張する。「罪不責衆」――大勢が行う行為について、個々に罪を問わないという法理原則があるからだ。多数を一律に裁けば国家は崩壊する。よって責めるべきは売人である。では、その売人を洗い出そうではないか。

 中国に進出した日系企業は1万3000社(2024年データ)。中国製品の輸入と日本国内での流通・販売に関与する日本企業は約2万社(2020年データ)。合計3万社――中国サプライチェーンに関わる企業は、あなたの比喩に従えば、見事に売人、売国奴ということになる。

 当社は輸出入を手がけてはいないが、中国事業を抱える日本企業や中国現地の日系企業にコンサルティングを提供している。もしこれを売人幇助と認定されるなら、少なくとも間接売国奴の名は甘受するしかない。構造依存社会で潔白を気取るほど、私は器用ではない。

 では対策は何か。麻薬対策の基本は二つ――売人と消費者の双方を取り締まること。しかしサプライチェーンは、グローバル化が生み出した合法的な麻薬であり、政府がこれを禁圧する手段はほぼ存在しない。安倍政権の産業回帰補助金も、巨額を投じながら不発に終わった。この通り、売人取り締まりは無理だ。

 最後に残るのは消費者だ。消費者が自発的に麻薬摂取を拒めば、売人もサプライチェーンも自然に消滅する。ゆえに、あなたのような読者が「中国製ボイコット」「中国サプライチェーンにNO」という社会運動を立ち上げるべきだ。政党を作ってもいい。反中国サプライチェーン党など最高に格好いいではないか。高市氏を特別顧問に迎えれば完璧だ。

 中国サプライチェーンという麻薬を絶てば、売人も消滅する。当然、当社のような間接売人も消える。その時は、路頭に迷う私の背中を指さし、「ざまぁみろ」と罵ってくれれば本望である。

タグ: