配達忘れた、言いわけなき謝罪は魅力的

 プロパンガスが切れたので、業者に電話を入れたら、午前9時~10時の配達との回答。待っても待っても来ない。1時間経過したところ、電話がかかってきた。「ごめんなさい、今朝の配達はうっかりして忘れました。午後配達していいですか」

 中国ならおそらく、いろんな理由を述べられるだろう。たとえ忘れたにしても、いろんな理由があって自分を正当化する。これも一つのロジックだと思う――とことんの他責追及。が、そこで誰もが納得できる他責事由を作る必要がある(結構難しい作業である)。下手な言いわけでは、ただ自分の人格を下げるだけだ。

 人間は誰しも物忘れする。逆に、素直に忘れたと認められると、こっちが非難できなくなるものだ。私自分だって物を忘れたりする。以前一度、アポを忘れる大失態をやったことがある。何本も電話を立て続け受けていると、最初の電話で約束したアポをカレンダーに入れるのを忘れた。約束当日、時間30分経過して先方から電話が入ると、さすが冷や汗びっしょり。その場でアポをカレンダーに入れ忘れたことを先方に説明し、謝罪した。

 ガス業者は配達を忘れたことを、自分から電話をかけてきて謝罪したのでこれ以上非難すべきではない。マレーシアという国は基本的にのんびりした人(企業)が多いので、これを常識として受け止めればよいのだと自分に言い聞かせている。余計な言いわけをしない、スローを常識化、ロジック化するところがいい。