正論だけでは足りない、原発賛成か反対か

 日本の原発に賛成か反対かと聞かれると、私は意見がないという。私は日本に生活基盤がないので、当事者として意見を言えないからである。

 都知事選をみると、原発問題が一つ大きな焦点にもなっている。まっすぐ見れば、「反原発」がいかにも正論であろう。現時点の安全性の問題だけでなく、次世代、将来の子子孫孫に対する影響を考えるとぞっとする。原発はそれだけ怖い。

 正しいことならしよう。原発を全廃しよう。では、原発を全廃した場合、日本はどうなるのか、国民の生活にどのような影響が出るのか。いざ一人ひとりの個人の我が利益(個益)となると、「総論賛成、各論反対」にならないか。

 原発なき日本のシミュレーションをもう少し明確なものにしてほしい。ただ正論を口にするだけでなく、現実の問題から目線をそらさずにしてほしい。

 正論を語ることは簡単だ。正論を正論のまま実現するのがそう簡単ではない。

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