「嫌われる勇気」もってますか、ビジネス書が役立たない理由

 ビジネス書の売れ行きが低迷気味だ、と。最近、どこかで読んだ記事。

 分からないわけでもない。ビジネス書をいくら読んでも、ビジネスが成功しない。でも、何で?それはビジネス書が嘘を書いているわけでなく、読んだ人が納得しても、本に書かれたとおり実践できないからだ。実践できなければ、当然成功するはずがない。

 「嫌われる勇気」という本がある。常に人気書籍ランキングの上位を占めている。たまに例外もあるが、私は基本的にベストセラーを買わない主義だ。その多くは当たり前のことしか書いていないからだ。「嫌われる勇気」も、店頭で手に取ってパラパラと目次をめくって、選択的に2~3ページを立ち読みしただけで、レジには持っていかなかった(マナーが悪くてごめんなさい)。

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 案の定、当たり前のことしか書いていないようだ。でも、良いことばかり書いてある。ふと思ったのは、この本を読んだ日本人で、その通り実践できる人は何割いるか、ということだ。

 「誰かに嫌われるのではないか?」、「和」や恥の文化といったDNAが刷り込まれている日本人の宿命は、ここだ。常に人の目線が気になって仕方ない。人にどう思われるかの一念で、自分が思っていることが黙殺されてしまう。さらに、「嫌われないための○×」といったノウハウものも氾濫しているのではないか。

 結局のところ、「嫌われない=善、嫌われる=悪」という善悪観が付きまとう限り、「嫌われる勇気」は生まれない。いや、だから、「嫌われてもいい」行動を取るには大きな勇気が要る。